
この度、LURF GALLERY(ルーフギャラリー)1Fでは、アーティスト・永野愛佳による個展「あわいに降る」を開催いたします。
永野は、日本画で「余白」とされてきた“間”を、光として捉え、画面の「地」として描き出してきました。その地には、時間の重なりや光の差し込みだけでなく、形のまわりにただよう空気や、静けさの中に沈む感情までもが、静かに浮かび上がっています。
本展では、「あわい」と呼ばれる、物と物、人と人、時間と記憶のあいだにある繊細な空間にまなざしを向け、日常に潜む美しさや、かすかな光の変化、重なりゆく時間の気配を描いています。
光と影、かたちと余白のあいだに生まれるわずかな余韻を、ぜひ会場にてご体感ください。展示会期は2025年6月21日(土)から7月27日(日)まで。
展示概要
永野愛佳 個展 「あわいに降る」
会期|2025年6月21日(土)~7月27日(日)
会場|LURF GALLERY 1F
時間|11:00 - 19:00
住所|150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-13 Roob1
入場|無料
※ 展示作品は販売いたします
ステートメント
内と外、その境界には、いつも何かが静かに漂っている。
向こうと此方の間に流れる風、湿度のにじみ、差し込む光の揺らぎや季節の変わり目の匂
い。
身体や感覚がふとした瞬間に反応する、曖昧な存在を表現していきたい。
作品では、余白とされてきた箇所を光とし、そこに落ち着いた時間や懐かしい記憶が滲む
表現となるよう試みた。
描かれる対象だけでなく、そのまわりにある無にみえる空間もまた、絵の一部として立ち
上がってくる。
日本画がもつ構成や光源の考え方を手がかりに、画面の内と外のあいだに静かな形跡が残
るような描写を探りたいと思う。
永野 愛佳

「留守」2025, oil on canvas, 652×530mm(F15)
プロフィール
永野 愛佳 | Aika Nagano
1995年 千葉県浦安市出身
2022年 東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻 卒業
2024年 東京藝術大学大学院 美術研究科絵画専攻 油画第四研究室 修了
【個展】
2025年「eureka!」ERIC ROSE YOKOHAMA COFFEE(神奈川)
【グループ展】
2024年 「東京藝大オープンアーカイブ VIVA」アトレ取手(茨城)
2024年 「LURF ANNUAL EXHIBITION 2024 -感覚と記憶の境界」LURF GALLERY(東京)
2024年 「Anonymous Drawings」Kunstraum Kreuzberg(Berlin)
無限空間である“間”を有限のものとして。
日本絵画における画面の構成は図と余白である“間”が重要視されるが、自身の作品では余白の間を光と捉え、画面の地、つまり“有限の間”をメインとしている。本来触れる事のなかった無限の間に光として白い地を与え、時間や湿度、季節などの機微を含み作者の肉感を得ることを狙いとした。ものとものの間隔、距離をキャンバス地のまま残すのではなく、白で描くことによって一見無限とも思える間は光に照らされ有限のものへと変容する。
光である地は図に影響を及ぼし、双方の関わりはより豊かさを増す、空間がものに調和する余韻を表現した。
instagram|@aika_nagano
展示作品の販売について
2025年6月21日(土)11:00よりLURF GALLERYの会場にて作品購入の申込を受付いたします。
※プレセールスの状況により会期前に一部作品の販売が終了することがございます。
※ウェブサイトで申込の受付を行う場合はLURF GALLERYのHPまたはSNSにてお知らせいたします。