TOWA TAKAYA

高屋永遠
JOY AFTER ALL - 花信風
2023.2.22(Wed) - 2023.2.28(Tue)


Lurf MUSEUM(ルーフミュージアム)1Fでは、 2月22(水)よりアーティスト・高屋永遠 個展「JOY AFTER ALL - 花信風」を開催いたします。

本展では高屋永遠が制作を続けてきた「桜」シリーズの新作を含めた絵画作品約20点を展示いたします。 


会期
2023.2.22(Wed) - 2023.2.28(Tue)
営業時間
11:00-19:00 不定休

 

【アーティストステートメント】

私の身体を通り抜ける、その気配。
一体、それはどこまで行ってきたのだろう。
元のそれとは別のものになり、
舞い戻り、また私の身体を通り抜けていく。

記憶としてさえ像を結ばない感覚の断片たち。
言葉を持たずに共鳴する色彩たち。
こだまのように響いて、やがては風に溶けていく。

拡散する数多の光と響が
いつかどこかで出会うなら

願いはやさしい束となり
絹のように軽く
皆を包み込むものであってほしい。


「SAKURA」シリーズは、「桜」が生み出す時間や空間、記憶を作品に落とし込みたいという目論見から始まりました。2022年の作品群では、「すべての個体がクローンである」というソメイヨシノの性質にインスピレーションを受けつつ、群体としての桜が持つ「個」を超えた広がりを捉えようと試みています。

その背景にあったのは、「個々の存在がいかに儚いものであるか」という実感、そしてそれを乗り越えるための平穏や生への願いです。個でもあり群でもある、その曖昧な広がりにこそ、そうした願いの場所があるのではないか。そんな思いが「SAKURA」シリーズを始める大きな動機のひとつでした。

今回の「桜」を特徴づけるのは、そうした群体としての広がりに、さらに「動き」の要素を与えるような風や光の表現です。桜の色面に満たされていた絵画空間は、その外部にいる他者や、何かが到来するその根源の場所を感じ取ることで、むしろ自身の「個」としての輪郭を見つけ出します。今の私にとって、桜のうねりを描くことは風や光、色を通じて、自らと世界を確かめ、喜びを共有することに繋がっているのです。

─高屋永遠

 

【プロフィール】

画家・WHYNOT.TOKYO主宰
1992年東京都生まれ。

現在、東京を拠点に活動。
流麗な線と神秘的な色彩が特徴的な絵画は、 空間、時間、存在についての領域横断的な考察に基づき制作される。高屋は絵画を「存在とは 何か」を問う形而上学的な探究と位置付けながら、並行して仮想現実上での実験的な描画方法 を探求。

2019年より、アーティストや美術分野で活動する個人の交流を目的としたアーティストランスペー スWHYNOT.TOKYOを主宰。継続的に、美術を通した連帯とコミュニティー形成に取り組む。